革新的な美粒の高圧乳化分散、グラフェン、カーボンナノチューブ、セルロースナノファイバー、挙動は同じです。

カーボンナノチューブ(CNT)分散剤フリーのすすめ

カーボンナノチューブ(CNT)分散剤フリーのすすめ

(2017年6月20日 作成 by中野満)

マルチにしてもシングルにしても、キーとなるのが、分散剤である。しかし、分散剤は、基本的に入れたくない。世間では、よくNMP溶剤に高濃度のCNTを剥離解繊分散したいという要望がある。たとえば、よく聞く数字として5%というものである。原粉からいれたら、まず、よほど、カーボンになじみやすい分散剤をいれなければ、不可能である。たぶん、費用対効果がでない。

だから、通常は、最小の分散剤の添加量で5%のCNTをNMPで処理してくれという依頼になる。5%もいれたら、管内を通過させる高圧式タイプだと、管内がつまって、成立しない。費用対効果もでない。それが唯一できるのが、ビーズミルのような連続処理タイプの装置ということになる。もちろん、ビーズをCNTにぶつけて、粉砕するのであるから、チューブはぼろぼろ、いろんなところに欠損がでる。導電率も大したことはない。カーボンナノチューブを剥離解繊分散するのでなく、粉砕し、しかも、その機能までぶっ壊すのであるから、本末転倒としかいいようがない。しかし、それも仕方がない。NMPでCNT5%というかたくなな固定観念に縛られているのであるから、そこから、脱却することは容易にはできない。

もし、分散剤フリーとしてCNTを処理して、しかも、綺麗に剥離解繊分散できたら、話が大幅にかわる。製法ががらりと変わるからである。CNT(マルチもシングル)もふくめ、下記のような分散剤フリーの製法が確立するからである。ここで、あえて、公知の事実化するのは、そんな単純なことでも、特許申請されたら、特許が通る可能性があるからである。

仮に1%CNTをNMP(100g)で、分散剤フリーとして、剥離解繊分散するとする。(どの程度の解繊分散状態かは、ユーザーやメーカーの仕様や目的による。)それを5%にするなら、100メッシュか150メッシュぐらいの篩にかけ、NMPを80gとればいいだけである。これが、できるのは、CNTを木っ端微塵にしないプロセスだからである。NMPは沸点が高いから、NMPの場合にはとるという手法になる。

それと、次に、考えられるのは、溶媒をアルコールにして、分散剤フリーとしてCNTを剥離解繊分散させることである。メタノール沸点約65度、エタノール沸点約78度、イソプロパノール沸点82度、それらのアルコールを溶媒として、例えば1%(解繊しやすいできるだけ高濃度)のCNTを解繊分散させることである。沸点が低いから、揮発していく。このあたりは、蒸留の技術であるから、それほど難しいこともない。いくらでも、高濃度のCNT分散液が作れる。残留アルコール濃度を気にしなければ、それにNMPを添加してもいいし、水の場合、張力が高いので、分散剤が必要であるが、それも、一度濡れているCNTだから、最小でいいはずである。この方法だとマスターバッチ化ができる。後は、どの程度の剥離解繊ぐあいでいいか、その必要性である。導電性、比表面積、熱伝導率、強度、仕様される目的によって異なるはずである。それが費用対効果とつながるはずである。

CNT分散剤フリーの剥離解繊分散プロセスが、なぜ、いままでむずかしかったか、溶媒の粘度、密度、沸点、張力やCNTの特性に応じて、装置プロセスを制御することができなかったからである。それが、濡れ性と非常に密接に影響している。また、CNTに関しては、マルチにしてもシングルにしても、メーカーや型式や製法により、太さ、長さ、硬さ、絡まり具合が異なる。そして、また、ユーザーの目的や仕様によっても分散具合はことなる。それらに対して、チューニングをかけなければ、費用対効果のある分散プロセスはできない。そこには、どうしても、乱れの制御という考え方が必要になる。嵐の中、ハイテク機でも離陸はしない。プロセスの中では、乱れの中をあえて、処理物を通す。処理物は木っ端みじんになり、装置も壊れる。同じ考え方では、CNTは、ばらばらになり、単なる微細な粉々になったカーボンとなる。

分散剤フリーとして
(1)溶媒の種類(粘度、密度、沸点、張力等)
(2)CNTの種類と特性
(3)ユーザーの仕様と目的
(4)ユーザーの費用対効果(コスト)

それらの4条件に対して、最適化できるプロセス、費用対効果のあるプロセスを下記の項目に照らして、最適化していかなければいけない

(1)プロセス工程 できるだけ少ない方がいい。(理想は、1プロセス、前処理から同じプロセスできること)
(2)圧力、できるだけ、低い方がいい、MAX120-130Mpa
(3)パス回数、10回以内が理想

分散剤フリーとして、美粒剥離解繊分散プロセスは、各社各様の一期一会的なプロセスになる。液晶や半導体のように、ひとつに限定されたものではない。だから、コピーしても、あまり意味がない。美粒システムの原理を理解して、CNT分散だけでなく、いろんな分散の経験がないと、美粒システムのチューニングは難しい。

私としては、若い研究者や技術者や開発者に、美粒システムをつかってもらい、その有り様を感受して、この国に、新しいものづくりを根付かせてもらいたい。この美粒システム、この原理は、欧米の力に対して力で応戦する粉砕の技術でなく、力を美しさに変換させる技術論でもある。日本人が昔から、感じていた美意識の中ではぐくまれた日本独自の新しい分散技術である。

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional